01/ 05生産管理
品質とトレーサビリティ
「どこまで回収するか」を記録で即答する備え
- ロット番号材料・製造・出荷の記録をつなぐ
- 回収の範囲記録がなければ全量、あれば最小限
- 工程で作り込む検査は確認して記録する関所
なぜ回収範囲を1時間で答えられるのか
食品の回収のニュースでは、「対象は◯月◯日製造の商品だけ」と範囲がはっきり語られます。あの線引きを支えるのが、工程ごとに残るロット番号入りの記録です。記録がつながった工場で何をたどれるのか、まず図で見ましょう。
各ブロックや矢印をクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。
B店の製品から材料まで記録で一本道 — 原因はその日のうちに特定できる
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構成図「ロットのつながり — 材料から店まで」。ブロック8個、つながり14本。 【ブロック】 - 材料ロット: 小麦粉 L-101 - 製造ロット: 生地 B-55 - 製品ロット: 食パン P-201 - 出荷先: A店 - 出荷先: B店 - 製造ロット: 生地 B-56 - 製品ロット: 食パン P-202 - 出荷先: C店 【図の符号】破線の枠=外部のサービス 【流れ】 - さかのぼる(どこから来たか): 出荷先 → 製品ロット → 製造ロット → 材料ロット - 追いかける(どこへ行ったか): 材料ロット → 〔使った記録〕 → 製造ロット → 〔作った記録〕 → 製品ロット → 出荷先 → 製品ロット → 〔送った記録〕 → 出荷先 → 材料ロット → 製造ロット → 製品ロット → 出荷先
各セルをクリックすると、その意味や詳しい説明がここに表示されます。
3つの関所すべてでロット番号と結果を残す — 検査の記録が鎖になる
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比較表「検査の3つの関所」。3列 × 3行。 【列】 1. 受入検査(材料の入口) 2. 工程内検査(作っている途中) 3. 出荷検査(出る直前) 【比較】(観点ごとに) ■ いつ・どこで - 受入検査: 材料が届いたとき / 倉庫の入口 - 工程内検査: 仕込みの途中・変わり目 / 現場のそば - 出荷検査: 箱詰め・出荷の直前 / 最後の関所 ■ 何を防ぐか - 受入検査: 不良材料を工程に入れない - 工程内検査: 不良の作り続けを止める - 出荷検査: 不良品を客先へ出さない ■ 記録に残すもの - 受入検査: 材料ロット番号・数量・合否 - 工程内検査: 製造ロット番号・測った値・不良数 - 出荷検査: 製品ロット番号・結果・出荷先 【観点】 - 記録に残すものを見る: 受入検査 / 工程内検査 / 出荷検査
図の外側にある2つの前提
- 1
記録は事故の日に効く保険
行き先の記録がなければ、疑わしい期間の製品をすべて回収するしかありません。図のように鎖が残っていれば、対象は2つの製品ロットと3つの店で済みます。
- 2
品質は工程で作り込む
検査を増やしても品質そのものは上がりません。温度や手順といった工程の条件を守って不良を出さないのが本筋です。検査はそれを確かめて記録に残す、最後の網です。
小さく始めるなら紙1枚から
立派なシステムがなくても、作業日報に「使った材料のロット番号」の欄を1つ足せば鎖はつながり始めます。大事なのは様式ではなく、材料・製造・出荷の3か所で番号を途切れさせないことです。
押さえておきたい用語
- ロット
- ロット番号
- トレーサビリティ
- 受入検査・工程内検査・出荷検査
- 不適合(不良)
- ロットアウト