第8章 原価管理

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原価管理

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原価は、現場の記録から積み上げて確かめる

標準の原価と実際の原価を比べ、ズレから改善を探します。

  1. 3つの費目材料費・労務費・経費の積み上げ
  2. 原価の材料部品表・実績・在庫の記録から生まれる
  3. 標準との差異悪者探しではなく改善の糸口

原価はどの記録から生まれるのか

料理1品の値段を考えるとき、材料の代金だけでなく、作る手間や光熱費も頭に浮かびます。工場の製品も同じで、材料費・労務費・経費の3つを積み上げて原価を求めます。この記事では、その積み上げがどの記録から生まれるのかをたどります。

製造原価3つの費目の合計
経費機械・光熱の割り掛け
労務費作業時間 × 賃率
材料費部品表 × 単価

各ブロックや矢印をクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

原価は現場の記録の積み上げ — 記録が正しいほど原価は正確になる

この図をテキストで読む

構成図「製造原価の積み上げ」。ブロック4個、つながり3本。 枠: 3つの費目(ブロック3個)。 【ブロック】 - 製造原価: 3つの費目の合計 - 経費: 機械・光熱の割り掛け - 労務費: 作業時間 × 賃率 - 材料費: 部品表 × 単価 【流れ】 - 記録から積み上げる: 材料費 → 労務費 → 経費 → 製造原価

積み上げの土台は現場の記録

ズレはどこで生まれているのか

費目
材料費
600円
660円
+60円
労務費
300円
330円
+30円
経費
100円
90円
−10円
製造原価(計)
1,000円
1,080円
大きい差異から順に

各セルをクリックすると、その意味や詳しい説明がここに表示されます。

差異は責める材料ではなく改善の地図 — 大きいものから理由をたどる

この図をテキストで読む

比較表「標準と実際のくらべ方(製品A・1個あたり)」。4列 × 4行。 【列】 1. 標準(見積どおりなら) 2. 実際(今回かかった額) 3. 差異(実際 − 標準) 4. 差の理由の例 【比較】(観点ごとに) ■ 材料費 - 標準: 600円 - 実際: 660円 - 差異: +60円 - 差の理由の例: 値上がり・不良のロス ■ 労務費 - 標準: 300円 - 実際: 330円 - 差異: +30円 - 差の理由の例: 段取りに時間がかかった ■ 経費 - 標準: 100円 - 実際: 90円 - 差異: −10円 - 差の理由の例: 稼働が計画より順調 ■ 製造原価(計) - 標準: 1,000円 - 実際: 1,080円 - 差異: +80円 - 差の理由の例: 大きい差異から順に 【観点】 - 差異を読む: 差異 / 差の理由の例 - ものさしとしての標準: 標準

製品A・1個あたりの例 — 差異が改善の糸口

原価が教えてくれること

  1. 1

    全テーマの終着点

    部品表・実績・在庫。ここまでのテーマで整えてきた記録は、すべて原価に流れ込みます。原価管理は、生産管理の学びの締めくくりにあたるテーマです。

  2. 2

    儲かる製品が見えてくる

    製品ごとの原価がわかると、売値との差、つまり儲けが製品別に見えます。どの製品を伸ばし、どれを見直すか。値付けと改善の判断が変わります。

差異を悪者探しにしない

差異が出た人や部署を責めると、現場は記録を出さなくなり、原価はかえって見えなくなります。差異は「どこに改善の余地があるか」を教えてくれる合図です。大きいものから順に、現場と一緒に理由をたどりましょう。

押さえておきたい用語

材料費・労務費・経費
原価の3要素。モノ(材料)・ヒト(手間)・それ以外(機械や光熱)に分けて捉える基本の切り口。
製造原価
材料費・労務費・経費を製品ごとに集計した、作るのにかかった費用の合計。売値との差が儲けになる。
標準原価
順調に作れたなら掛かるはずと前もって決めた、ものさしとしての原価。英語では Standard Cost。
実際原価
実績の記録から積み上げた、本当にかかった原価。現場の記録の精度が、そのまま原価の精度になる。
原価差異
実際原価と標準原価のズレ。大きいものから理由をたどると、改善すべき場所を教えてくれる。
賃率
時間あたりの人件費の単価。作業時間に掛けて労務費を求める。「ちんりつ」と読む。
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