第3章 品目と部品表(BOM)

ページ 1 / 5

01/ 05生産管理

品目と部品表(BOM)

読了目安 約 3実践
読みはじめる

所要量も原価も、答えはこの表の掛け算から

部品表(BOM)は、製品を部品まで分解した作り方の一覧です。

  1. マスタとBOM背番号はマスタ、親子と員数はBOM
  2. 計画数×員数掛け算が手配と原価を決める
  3. BOMの精度誤った表からは誤った答えしか出ない

1台の注文はどう部品の数に変わるのか

料理のレシピが材料と分量を書くように、工場では製品ごとに「どの部品をいくつ使うか」を部品表(BOM)として登録します。自転車1台を例に、この分解の木がどう枝分かれし、各階層で何が決まるのかを見てみましょう。

自転車(完成品)売る単位
フレーム1台に 1本
車輪ユニット1台に 2個 — 社内で組む
タイヤ車輪1個に 1本
チューブ車輪1個に 1本
スポーク車輪1個に 36本
サドル1台に 1個

各ブロックや矢印をクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

この図をテキストで読む

構成図「自転車を分解する部品表(BOM)」。ブロック7個、つながり6本。 【ブロック】 - 自転車(完成品): 売る単位 - フレーム: 1台に 1本 - 車輪ユニット: 1台に 2個 — 社内で組む - タイヤ: 車輪1個に 1本 - チューブ: 車輪1個に 1本 - スポーク: 車輪1個に 36本 - サドル: 1台に 1個 【図の符号】緑の枠=関門・経由点 【流れ】 - 正展開でたどる: 自転車(完成品) → フレーム → 自転車(完成品) → 車輪ユニット → タイヤ → 車輪ユニット → チューブ → 車輪ユニット → スポーク → 自転車(完成品) → サドル - いちばん深い枝を降りる: 自転車(完成品) → 車輪ユニット → スポーク

同じ木が3つの仕事を支える

仕事

各セルをクリックすると、その意味や詳しい説明がここに表示されます。

この図をテキストで読む

比較表「BOMが支える3つの仕事」。2列 × 3行。 【列】 1. BOMをどう使うか 2. 間違っているとどうなるか 【比較】(観点ごとに) ■ 所要量計算 - BOMをどう使うか: 計画数×員数で正展開 / 木を上から下へ - 間違っているとどうなるか: 手配が過不足になる / 欠品か余剰在庫 ■ 原価積算 - BOMをどう使うか: 材料費を下から積み上げ / 単価×員数の合計 - 間違っているとどうなるか: 見積りと値決めが狂う ■ トレーサビリティ - BOMをどう使うか: 逆展開で使われ先を検索 / 部品から製品へ - 間違っているとどうなるか: 回収範囲を絞れない 【観点】 - 毎日の仕事を支える: BOMをどう使うか - 誤りの波及を見る: 間違っているとどうなるか

使い道は3つ、読む木は1つ。

運用の勘どころ

  1. 1

    品目マスタが先、BOMが後

    BOMの行に書けるのは、品目マスタに背番号(品目コード)で登録済みのモノだけです。名前や通称でつなぐと、同じ部品が二重に登録される事故が起きます。

  2. 2

    設計変更で直すのは誰か

    図面が変わったら、誰がいつまでにBOMを直すかを決めておきます。切り替え日があいまいなままだと、現場は古いレシピで作り続けます。

効果はBOMの正しさから

生産管理システムの計算が合わないと感じたら、まず疑うのはBOMと品目マスタです。レシピの分量が間違っていれば、どんな名人が計算しても正しい答えは出ません。導入の最初の仕事は、この表を実態に合わせることです。

押さえておきたい用語

品目(アイテム)
管理するモノの単位。製品・半製品・部品・材料をすべて同じ「品目」として扱う。英語では Item。
品目マスタ
全品目に1つずつ背番号(品目コード)を付けて登録する台帳。単位・仕入先・リードタイムもここに載る。
部品表(BOM)
親品目がどの子品目からいくつでできるかを表す一覧。Bill of Materials の略。
員数
親1つを作るのに必要な子の数量。「いんずう」と読む。所要量計算の掛け算のもとになる。
正展開・逆展開
製品から部品へ木を下るのが正展開、部品から使われ先の製品へさかのぼるのが逆展開。
設計変更(E/C)
図面や部品構成の変更。Engineering Change の略。BOMをいつから切り替えるかの日付管理が要る。
ページ 1 / 5