第6章 在庫管理

ページ 2 / 5

01/ 05生産管理

在庫管理

読了目安 約 3実践
読みはじめる

在庫は数えて合わせるものではなく、記録の結果

モノが動いたその場で記録すれば、3つの在庫は合い続けます。

  1. 6つの場面モノが動く場面すべてが記録のタイミング
  2. ズレの手当て記録・置き場・単位を仕組みで直す
  3. 棚卸の目的答え合わせでなく、原因を見つける日

なぜ在庫は数えるたびに合わないのか

倉庫にある現品、手元の台帳、システムの数字。この3つの「在庫」は、放っておくと少しずつ離れていきます。使うたびに付ける家計簿が財布と合い続けるように、在庫を決めるのはモノが動く瞬間の記録です。

ここで記録
入る
作る
出る
現場モノが動く
記録帳簿在庫が変わる
入荷
入庫を記録材料 +
棚入れ
置き場を記録住所を更新
払い出し
出庫を記録倉庫 −
製造で消費
消費を記録使った分 −
完成品入庫
完成を記録完成品 +
出荷
出荷を記録完成品 −

各工程・分岐・レーンをクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

モノが動く場面は6つ — そのすべてが記録のタイミング

この図をテキストで読む

業務フロー図「モノの動きと記録の動き」。レーン2本、工程12個。 【レーン(担当)】(上から下) - 現場: モノが動く - 記録: 帳簿在庫が変わる 【工程】(左から右へ。担当 → 工程名) ── フェーズ: 入る ── 1. 現場: 入荷〔開始・終了〕 2. 記録: 入庫を記録〔データ〕(材料 +) 3. 現場: 棚入れ 4. 記録: 置き場を記録〔データ〕(住所を更新) ── フェーズ: 作る ── 5. 現場: 払い出し 6. 記録: 出庫を記録〔データ〕(倉庫 −) 7. 現場: 製造で消費 8. 記録: 消費を記録〔データ〕(使った分 −) 9. 現場: 完成品入庫 10. 記録: 完成を記録〔データ〕(完成品 +) ── フェーズ: 出る ── 11. 現場: 出荷〔開始・終了〕 12. 記録: 出荷を記録〔データ〕(完成品 −) 【補足の流れ】 - 入荷 → 入庫を記録(ここで記録)

モノと記録は二人三脚 — 離れた分だけ在庫がずれる

それでも、在庫はずれる

記録漏れ動かしたのに書かない
その場で記録動かす人が、動かした時に
数え間違い箱とバラ、単位のずれ
単位をそろえる数え方をひとつに決める
置き場がばらばらどこにあるか、人しか知らない
定位置管理置き場に住所を付ける
帳簿の直し漏れ不良・返品の処理が残る
棚卸で照合定期的に現品と突き合わせる

各ブロックや矢印をクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

ズレには必ず原因がある — 対策は注意ではなく仕組みで打つ

この図をテキストで読む

構成図「在庫が合わなくなる原因と打ち手」。ブロック8個、つながり4本。 【ブロック】 - 記録漏れ: 動かしたのに書かない - その場で記録: 動かす人が、動かした時に - 数え間違い: 箱とバラ、単位のずれ - 単位をそろえる: 数え方をひとつに決める - 置き場がばらばら: どこにあるか、人しか知らない - 定位置管理: 置き場に住所を付ける - 帳簿の直し漏れ: 不良・返品の処理が残る - 棚卸で照合: 定期的に現品と突き合わせる 【図の符号】赤紫の淡い塗り=注意・課題 / 緑の淡い塗り=効果・良い点 【流れ】 - 原因と打ち手をたどる: 記録漏れ → その場で記録 → 数え間違い → 単位をそろえる → 置き場がばらばら → 定位置管理 → 帳簿の直し漏れ → 棚卸で照合

ズレは犯人捜しではなく、仕組みの直しどころ

ズレの直し方と、直した先

  1. 1

    棚卸は原因を見つける日

    数えて帳簿を直すだけでは、翌月また同じズレが出ます。どの品目が・どこで・なぜずれたかをたどり、記録の抜け道をふさぐところまでが棚卸です。

  2. 2

    正しい在庫が計画を支える

    所要量計算は、帳簿在庫を信じて手配の量を決めます。在庫が合っていると欠品と余分な買いだめが同時に減り、計画が信じられる数字になります。

まず抜け道をふさぐ

在庫の精度を上げる近道は、記録されずにモノが動く「抜け道」を探すことです。持ち出し自由の棚、伝票の要らない返品、人によって違う数え方。抜け道を1つふさぐたびに、帳簿は現実へ近づきます。

押さえておきたい用語

現品在庫
倉庫や現場に実際にあるモノの数。棚卸で数える対象。帳簿在庫と対で使う言葉です。
帳簿在庫
記録の上の在庫数。システムが示す在庫もこれにあたり、入出庫記録の積み重ねで決まります。
入出庫記録
モノの出入りを1件ずつ残す記録。英語ではトランザクション。在庫はこの記録の合計です。
在庫差異
現品在庫と帳簿在庫の食い違い。数を直して終わりにせず、原因をたどる手がかりにします。
棚卸
現品を数えて帳簿と照合する作業。一度に全部数える一斉棚卸と、少しずつ回す循環棚卸があります。
この用語の解説を読む
先入れ先出し
先に入れた品から先に使う運用。英語では FIFO。在庫の古さによる傷みや埋没を防ぎます。
ページ 2 / 5