第10章 鍵を発行しない運用

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鍵を発行しない運用

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手元の作業に API キーを発行しない

ブラウザログインの本人確認に統一。作らない鍵は漏れません。

  1. 発行ゼロ保管・更新・失効の管理もゼロになる
  2. 人の招待権限は鍵ではなく招待で渡す
  3. 例外は CI無人処理だけ。金庫と最小権限で絞る

なぜ鍵を「作らない」のが一番安全なのか

プログラムからデータベースやクラウドを使うには API キーが要る — 長くそれが常識でした。けれど最近は、手元の作業ツールがブラウザのログインをそのまま使えます。鍵を 1 本も作らずに毎日の作業が回る仕組みを、動く図でたどりましょう。

鍵を発行しないログインの流れ

ブラウザを開いて本人確認を依頼ログイン依頼ブラウザでログイン(二段階認証)本人確認短命の通行証を発行通行証の発行通行証を自動で提示して作業作業の要求有効性を確認して実行実行
あなたブラウザで本人確認
作業ツールパソコン上の道具
クラウドサービスDB・クラウドの受付

各ステップ・参加者・分岐をクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

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シーケンス図「鍵を発行しないログインの流れ」。参加者3人、ステップ5個。 【参加者】(左から右) - あなた: ブラウザで本人確認 - 作業ツール: パソコン上の道具 - クラウドサービス: DB・クラウドの受付 【流れ】(上から下へ) ── ① 最初の 1 回だけ(ブラウザでログイン) ── 1. 作業ツール → あなた: ブラウザを開いて本人確認を依頼 2. あなた → クラウドサービス: ブラウザでログイン(二段階認証) 3. クラウドサービス → 作業ツール: 短命の通行証を発行(応答) ── ② 日々の作業(鍵は登場しない) ── 4. 作業ツール → クラウドサービス: 通行証を自動で提示して作業 5. クラウドサービス → 作業ツール: 有効性を確認して実行(応答)

手元に届くのは期限つきの通行証だけです。

もし API キーを配っていたら?

管理画面で API キーを発行発行全員に配って設定ファイルに保管配布更新のたびに全員へ配り直し配り直し
発行する人鍵の一生を管理
各メンバーの PC鍵が居座る

各ステップ・参加者・分岐をクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

発行した瞬間から、保管・配布・更新・失効の管理が一生続く

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シーケンス図「API キーを配る運用」。参加者2人、ステップ3個。 【参加者】(左から右) - 発行する人: 鍵の一生を管理 - 各メンバーの PC: 鍵が居座る 【流れ】(上から下へ) 1. 発行する人(自身で処理): 管理画面で API キーを発行 2. 発行する人 → 各メンバーの PC: 全員に配って設定ファイルに保管 3. 発行する人 → 各メンバーの PC: 更新のたびに全員へ配り直し

切り替えて見比べると、管理の重さの差がわかります。●の速さは手間の少なさです。

実際の運用から

  1. 1

    実例: データベースの管理

    当サイトのデータベース(Neon)は、管理コマンドがブラウザログインの認証をそのまま使えるようになり、API キーの発行手順ごと廃止できました。

  2. 2

    実例: 権限は招待で渡す

    クラウド(Google Cloud など)はお客様の組織に担当者のアカウントを招待してもらう形にします。鍵を渡さずに権限を渡せて、取り消しも組織側の操作ひとつです。

無人の自動処理だけは例外

テストや公開を自動で行う仕組み(CI)には、ブラウザを開く人がいません。ここは鍵なし連携(OIDC)を最優先し、やむを得ず鍵を使う場合も、範囲を最小に絞って金庫に預け、個人ではなく組織に紐づけます。

押さえておきたい用語

ブラウザ認証(OAuth)
道具(CLI)が本人確認をブラウザのログインに委ねる方式。手元に残るのは短命の通行証だけ。
API キー
プログラム用の長生きする合鍵。発行した瞬間から保管・更新・失効の管理が始まる。
短命トークン
有効期限つきの通行証。切れたら再ログインするだけで、配り直しが要らない。
招待(メンバーシップ)
組織にアカウントを招いて権限を渡す方法。人を外せば権限も同時に消える。
鍵なし連携(OIDC / WIF)
人の SSO と同じ考え方を自動処理に広げ、鍵を置かずに身元を証明して確かめてもらう仕組み。正式名は Workload Identity Federation など。
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