管理者向け / 第8章 VPN とプロキシ

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第8章セキュリティ

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VPN とプロキシ

「VPNとプロキシ、どちらを使えばいいの?」

社内につなぐ場合と外部Webへ中継する場合を比べ、目的に合う経路を見てみましょう。

  1. 01迷い

    どちらも中継だよね

    役割を比べる

    VPNとプロキシ、何を比べると違いが分かるのかな?

  2. 02VPNの例

    社外から社内へ

    対象は経路設定次第

    この例では、社内へ向かう通信をVPNのトンネルで守るよ。

  3. 03プロキシの例

    外向き通信を中継

    フォワードプロキシ

    こちらは会社から外へ出る通信を、中継先で扱う例だね。

  4. 04使い分け

    目的と経路から選ぶ

    両方を使う場合も

    社内への接続か、外向き通信の管理か。目的から選ぼう。

この章の合言葉

何をつなぎ、どこで中継するか。目的と経路から選ぶ。

※この章は社内接続のVPNと外向き通信のプロキシの例です。ほかの用途もあり、暗号化・検査の範囲は経路や設定で変わります。

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VPN とプロキシはどう違うのか

会社の通信は野放しではなく、決められた関所を通ります。その代表が VPN とプロキシです。ここではリモートアクセスVPNとフォワードプロキシを比べます。VPNには拠点間接続、プロキシにはサーバの前に置くリバースプロキシもあります。

VPN ── 暗号トンネルで社内へ

本人確認して暗号トンネルの鍵を共有トンネル確立対象の通信を暗号化して包む丸ごと暗号化暗号トンネルでゲートウェイへ送るトンネルで送るゲートウェイが復号して本来の通信を取り出す復号して取り出…社内ネットの本来の宛先へ届ける社内へ転送応答を返す応答再び暗号トンネルに入れて返す暗号化して返信
社外の端末自宅PC等 / VPNクライアント
VPNゲートウェイ社内ネットの入口
社内サーバ社内ネット内

各ステップ・参加者・分岐をクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

この図をテキストで読む

シーケンス図「VPN ── 暗号トンネルで社内ネットにつなぐ」。参加者3人、ステップ7個。 【参加者】(左から右) - 社外の端末: 自宅PC等 / VPNクライアント - VPNゲートウェイ: 社内ネットの入口 - 社内サーバ: 社内ネット内 【流れ】(上から下へ) ── ① トンネルを確立する(暗号化の取り決め) ── 1. 社外の端末 → VPNゲートウェイ: 本人確認して暗号トンネルの鍵を共有 ── ② 対象の通信を暗号トンネルで運ぶ ── 2. 社外の端末(自身で処理): 対象の通信を暗号化して包む 3. 社外の端末 → VPNゲートウェイ: 暗号トンネルでゲートウェイへ送る 4. VPNゲートウェイ(自身で処理): ゲートウェイが復号して本来の通信を取り出す 5. VPNゲートウェイ → 社内サーバ: 社内ネットの本来の宛先へ届ける 6. 社内サーバ → VPNゲートウェイ: 応答を返す(応答) 7. VPNゲートウェイ → 社外の端末: 再び暗号トンネルに入れて返す(応答)

行きも帰りも、端末と入口の間は封筒の中。

プロキシ ── 出口の検査と制御

フォワードプロキシは、設定された外部Webへの通信を中継します。会社のPCがその経路を通るように構成すると、接続先の制限や記録をまとめて行えます。すべての通信が自動的に検査されるわけではありません。

プロキシ ── 2つの検査モード

復号しない条件が揃う許可拒否
社内端末会社支給PC
プロキシ出口の検問所
外部サイト ⁠/ 結果インターネット
社外サイトへ https でアクセス
TLS検査の条件が揃っている⁠?経路⁠・検査設定⁠・端末の信頼
復号せず中継接続先等で判断
2つのTLS接続の間で検査TLS インスペクション
ポリシー上 許可される宛先⁠・内容⁠?フィルタリング
遮断してログに記録拒否
改めて暗号化し直して外へ転送再暗号化
外部サイトへ到達送信元=プロキシのIP
  • 焦点

各工程・分岐・レーンをクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

この図をテキストで読む

業務フロー図「プロキシ ── 出口を一本化して検査する」。レーン3本、工程8個。 【レーン(担当)】(左から右) - 社内端末: 会社支給PC - プロキシ: 出口の検問所 - 外部サイト / 結果: インターネット 【図の符号】色つきの工程=焦点 【工程】(上から下へ。担当 → 工程名) 1. 社内端末: 社外サイトへ https でアクセス〔開始・終了〕 2. プロキシ: TLS検査の条件が揃っている?〔分岐〕(経路・検査設定・端末の信頼) 復号しない → 復号せず中継 条件が揃う → 2つのTLS接続の間で検査 3. 外部サイト / 結果: 復号せず中継〔開始・終了〕(接続先等で判断) 4. プロキシ: 2つのTLS接続の間で検査(TLS インスペクション) 5. プロキシ: ポリシー上 許可される宛先・内容?〔分岐〕(フィルタリング) 許可 → 改めて暗号化し直して外へ転送 拒否 → 遮断してログに記録 6. 外部サイト / 結果: 遮断してログに記録〔開始・終了〕(拒否) 7. プロキシ: 改めて暗号化し直して外へ転送(再暗号化) 8. 外部サイト / 結果: 外部サイトへ到達〔開始・終了〕(送信元=プロキシのIP)

中身の検査には、経路・検査設定・証明書の信頼が必要です。

プロキシは、HTTPSの中も読める?

復号しない中継では、HTTPSのパスや本文は読めません。TLS検査は端末側と接続先側に別々のTLS接続を作り、内容を調べます。

TLS①TLS②
会社のPC検査用証明書を信頼
検査プロキシ復号して内容を確認
接続先サイト要求に応答する
この図をテキストで読む

構成図「TLS検査では、プロキシで復号する」。ブロック3個、つながり2本。 【ブロック】 - 会社のPC: 検査用証明書を信頼 - 検査プロキシ: 復号して内容を確認 - 接続先サイト: 要求に応答する 【図の符号】破線の枠=外部のサービス

復号しない中継と、TLS検査は別の構成

経路・プロキシ・端末の信頼設定を揃えます。特定の証明書や公開鍵だけを信頼する仕組み(ピンニング)では、検査用の証明書が拒否される場合があります。除外とプライバシーに配慮し、範囲を利用者へ示します。

VPNにつながれば、すべて許してよい?

VPNで社内に接続したPCにも、盗まれたアカウントや感染した端末が含まれるかもしれません。「社内のアドレスから来た」という理由だけで、すべての情報を開放するのは危険です。

接続する場所だけで信用せず、利用者や端末の状態、アクセス先の情報・操作に応じて認証と認可を行うのが、ゼロトラストの考え方です。VPNやプロキシを使う場合も、その先の権限管理や監視を組み合わせます。

ZTNAは実現手段の一つ

利用者や端末の条件でアプリへのアクセスを制御する仕組み(ZTNA)は、ゼロトラストを実現する手段の一つです。製品を導入するだけで、すべての対策が揃うわけではありません。

押さえておきたい用語

VPN(仮想プライベートネットワーク)
離れた端末やネットワークを仮想的につなぐ仕組み。この章は暗号化VPNの例で、通す通信は経路設定による。
プロキシ(フォワードプロキシ)
端末やアプリに代わって接続先へ通信する中継点。この章では外部Webへの中継を例に、記録・制御を説明する。
トンネリング / カプセル化
元の通信を別の通信の中に包んで運ぶこと。カプセル化自体と暗号化は別で、保護範囲は方式による。
CONNECT トンネル / SNI
CONNECTは指定先へのトンネルを作る要求。SNIはTLSの接続開始時に接続先名を伝える情報。役割が異なり、どちらも暗号化そのものではない。
TLS インスペクション(SSL 復号)
端末とプロキシ、プロキシと接続先の間で別々のTLS接続を作り、その間で中身を検査する方式。通信経路・検査設定・端末の信頼設定が必要。
ゼロトラスト / ZTNA
ネットワークの場所だけで信頼せず、ID・端末・権限等を評価する考え方。ZTNA(Zero Trust Network Access)は、それに基づくアクセス制御の仕組み。
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