管理者向け / 第7章 通信と保存の暗号化

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第7章セキュリティ

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通信と保存の暗号化

「サイトへ送った情報は、途中で誰かに読まれないの?」

通信相手を確かめて暗号化する仕組みと、保存した情報の守り方を見てみましょう。

  1. 01疑問

    そのまま送って平気?

    通信中の情報

    相手へ送る情報は、途中で読まれないのかな?

  2. 02体験

    そのままなら読める

    平文のままでは

    暗号化していない情報は、途中でのぞかれるおそれがあるんだ。

  3. 03仕組み

    相手を確認して守る

    証明書と鍵の合意

    TLSでは相手を確認して鍵を作り、通信を暗号化するんだね。

  4. 04納得

    運ぶときも保管も

    通信と保存を分ける

    通信を守る仕組みと、保存した情報を守る仕組みは別なんだ。

この章の合言葉

相手を確かめて通信を守る。保存した情報の暗号化は別に備える。

※TLSは通信を保護する仕組みです。証明書で相手を確かめ、鍵交換の情報から通信鍵を作ります。

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なぜ「暗号化」が必要なのか

ネットで送ったデータは、Wi-Fi や通信会社などたくさんの『他人の設備』を経由して届きます。そのまま(平文)では途中で覗き見されるため、手紙を封筒に入れるように鍵で封をします。残る問いは、封をする鍵そのものを初対面の相手とどう共有するか、です。

証明書で確認し、鍵交換から通信鍵を作る

ページを開くたび繰り返し公開鍵とドメインの確認を申請証明書を申請証明書を発行証明書を発行方式と鍵交換用の公開情報を送る接続を始める方式を選び、鍵交換の公開情報を返す鍵交換の応答双方で共有秘密から鍵を導出鍵を導出証明書と接続への署名を送るサーバを証明証明書と署名を検証接続先を確認接続の検証を完了暗号通信へ共通鍵で暗号化して送信暗号化して要求共通鍵で暗号化して返信暗号化して応答別の鍵で暗号化して保存暗号化して保存暗号文のまま保管暗号文で保管
あなたブラウザ
Webサーバhttps:// の接続先
認証局信頼の第三者(CA)
保管庫サーバのDB

各ステップ・参加者・分岐をクリックすると、その仕組みの説明がここに表示されます。

この図をテキストで読む

シーケンス図「TLS 1.3のしくみ(証明書・鍵交換・暗号通信)」。参加者4人、ステップ12個。 【参加者】(左から右) - あなた: ブラウザ - Webサーバ: https:// の接続先 - 認証局: 信頼の第三者(CA) - 保管庫: サーバのDB 【流れ】(上から下へ) ── ① 事前準備:サーバが証明書を用意(あなたが来る前) ── 1. Webサーバ → 認証局: 公開鍵とドメインの確認を申請 2. 認証局 → Webサーバ: 証明書を発行(応答) ── ② 接続:鍵交換と本人確認 ── 3. あなた → Webサーバ: 方式と鍵交換用の公開情報を送る 4. Webサーバ → あなた: 方式を選び、鍵交換の公開情報を返す(応答) 5. あなた(自身で処理): 双方で共有秘密から鍵を導出 6. Webサーバ → あなた: 証明書と接続への署名を送る(応答) 7. あなた(自身で処理): 証明書と署名を検証 8. あなた → Webサーバ: 接続の検証を完了 ── ③ 本番の通信(以後ずっと・共通鍵) ── (ページを開くたび繰り返し の枠) 9. あなた → Webサーバ: 共通鍵で暗号化して送信 10. Webサーバ → あなた: 共通鍵で暗号化して返信(応答) ── ④ 保存:しまう間も暗号化(保管時暗号化) ── 11. Webサーバ → 保管庫: 別の鍵で暗号化して保存 12. 保管庫 → Webサーバ: 暗号文のまま保管(応答)

通信鍵は双方で導出。本文は暗号化し、保存も別に守ります。

送った後のデータは、何が守る?

顧客情報をHTTPSで送ると、通信中のデータは暗号化されます。受け取って保存した後は、保存時の暗号化がディスクやバックアップの持ち出しに備えます。守る場面が違うので、両方を設計します。

HTTPS保存時暗号化
利用者の端末顧客情報を送る
アプリ受信して処理する
保存先ディスク等へ保存
この図をテキストで読む

構成図「通信と保存では、守る場所が違う」。ブロック3個、つながり2本。 【ブロック】 - 利用者の端末: 顧客情報を送る - アプリ: 受信して処理する - 保存先: ディスク等へ保存

復号できる権限・鍵と、情報へのアクセス権限も守る

暗号化されていても、アプリが誤った相手へ復号済みの情報を返せば漏洩します。復号できる権限や鍵を守り、アプリの認可も別に確かめます。

HTTPSなら、相手も安全?

偽サイトも、自分で用意したドメインに対してHTTPSを使えます。HTTPSが確かめるのは接続先ドメインと通信の保護です。そのサイトの内容や、持ちかけられた取引の安全まで保証するものではありません。

たとえばメールで口座情報の変更を求められたら、リンク先がHTTPSかだけを見て手続きを進めません。正規のドメインを確認し、普段使う公式の経路から用件を確かめます。

押さえておきたい用語

平文・暗号文
そのまま読めるデータが平文、鍵でかき混ぜて読めなくしたのが暗号文。封をする前後の手紙のイメージ。
公開鍵と秘密鍵(公開鍵暗号)
対になる鍵。秘密鍵で署名し公開鍵で検証するなど、方式に応じて使う。公開鍵は配布でき、秘密鍵は厳重に保護する。
共通鍵
暗号化と復号に共有した鍵を使う方式。TLSは鍵交換等から用途・方向別の鍵を導出し、本文を速く暗号化する。
証明書・認証局(CA)
ドメイン名と公開鍵の結び付き等を認証局が署名した証明書で確かめる仕組み。サイトの内容の安全は保証しない。
HTTPS / TLS
TLSでWeb通信の盗聴や改ざんを防ぎ、接続先を検証する仕組み。接続情報の表示はブラウザによって異なる。
保管時暗号化(at-rest)
保存されたデータを暗号化し、ディスク等の持ち出しに備えること。復号鍵の保護やアクセス権限も別に必要。
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