助詞が役割を持ち運ぶ
犬が
動作する側
人を
動作を受ける側
かむ
動作
人を
動作を受ける側
犬が
動作する側
かむ
動作
強調や自然さは変わりますが、「が」「を」が役割を保ちます。
01/ 08概念から固める
日本語は、名詞の後ろに付く助詞と文脈を使い、最後の述語へ向かって意味を組み立てます。 英語は、主語と動詞を早く置き、語順と前置詞で関係を見せます。 この章では、その設計図の違いを4つに絞って見ていきます。
読了目安 約 5 分 ・ 全 8 ページ
読みはじめる02/ 08設計図を切り替える
「友達に写真を送った」— 同じ出来事でも、部品の並べ方はまるで違います。まずはこの 1 場面で、2 枚の設計図を見比べます。
same scene, different blueprint
友達に写真を送った場面
日本語
助詞で役割を付けるEnglish
位置で役割を見せる単語は似ていても、関係を見せる仕組みが違います。
03/ 08違い 1 ・ 役割の示し方
名詞の後ろに「が・を・に」を付ける
主語・動詞・目的語の位置で示す
日本語の語順も完全に自由ではありませんが、助詞が役割を持ち運ぶため語句を前後させられる場面があります。英語は基本語順を入れ替えると、誰が動作をしたかまで変わります。
犬が
動作する側
人を
動作を受ける側
かむ
動作
人を
動作を受ける側
犬が
動作する側
かむ
動作
強調や自然さは変わりますが、「が」「を」が役割を保ちます。
The dog
主語
bites
動詞
the man
目的語
The man
主語
bites
動詞
the dog
目的語
名詞を入れ替えると、かむ側とかまれる側が逆転します。
04/ 08違い 2 ・ 動作を置く場所
文の終わりで動作が分かる
主語のすぐ後ろで動作を示す
頭の中で完璧な文を完成させてから話すのではなく、まず骨組みを立ち上げ、必要な情報を意味のかたまりで後ろへ足していきます。
Japanese scene
私は昨日、友達に写真をメールで送った。
I sent
I sent a photo
I sent a photo to my friend
I sent a photo to my friend by email yesterday.
05/ 08違い 3 ・ 関係を示す向き
机の上「に」— 名詞の後ろ
on the desk — 名詞の前
前置詞は「これから場所・方向・相手との関係を示す」という予告です。聞き手は名詞が来る前に、関係の種類を受け取れます。
日本語
名詞 → 関係
English
関係 → 名詞
06/ 08違い 4 ・ 文脈への頼り方
分かっている主語は省きやすい
通常の文では主語の席を埋める
英語では it や there を置いてでも骨組みを見せます。「省かず、席を埋める」感覚が、話すときにも聞き取るときにも効きます。
日本語で自然な考え方
英語で自然な考え方
07/ 08まとめ
役割の示し方、動作を置く場所、関係を示す向き、主語の扱い。4 つも設計が違うから、単語だけを日本語へ置き換えると不自然な文や丸暗記が増えます。 距離があることは、習得できないという意味ではありません。違う設計図へ切り替える手順が必要だという意味です。
単語を一つずつ訳すのではなく、伝えたい場面を英語の骨組みへ組み直します。
完璧な文を頭の中で完成させる前に、主語と動詞だけで文を始めます。
to my friend、by email、yesterday のように、意味のかたまりを順に追加します。
08/ 08巻末
次は、日本語にない音を口と舌の動きから理解します。文のしくみと同じように、音も日本語の分類へ無理に当てはめず、新しい違いから学びます。