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冠詞

冠詞

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01/ 14概念から固める

冠詞は、「何のこと?」を相手に案内する標識。

日本語の「犬」は、どの犬か・何匹かを文脈に任せたまま言えます。英語では同じ dog のイメージを会話へ出すとき、 話し手がどう見せるかを形にします。 この章では、その判断をたった 2 つの質問に絞ります。

読了目安 約 5 分 ・ 全 14 ページ

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02/ 14見せ方を選ぶ

同じ dog を、3つの見せ方で出す

辞書の見出し dog が呼び出すのは「犬のイメージ」。文に入れるときは a dog / the dog / dogs のどれかを選びます。切り替えて、場面がどう変わるかを見てください。

犬はここで初登場。どの犬か、相手はまだ知りません。

たくさんの中から、まだ特定しない1匹

1

I saw a dog in the park.

公園で犬を1匹見かけました。

相手には特定できず、dog は1匹と数える単数なので a です。

03/ 14単語と文

単語の dog と、文の a dog / the dog / dogs は何が違う?

dog が呼び出す「犬らしさ」は共通です。違うのは、そのイメージを会話へ出すときの見せ方です。

単語だけの dog が呼び出すイメージ
四本足しっぽほえる人と暮らす

dog

辞書形

犬というイメージだけ。まだ「どの犬・何匹」は決まっていない

Same image, different packaging

dog は中身の名前。文にするときは、その中身に包み方が要ります。

ここに単独で置いた dog は、英文の完成形ではなく辞書の見出しです。数えられる単数の「犬」を文の部品にするときは、 冠詞などで「どのように見せるか」を表します。

日本語

犬がいる。

「犬」だけでは、特定・数を明示しない

必要なら文脈や『あの・1匹の』で補う

English

dog → ?

dog はイメージを示す辞書形

文では a dog / the dog / dogs などにする

How to learn

訳すより、判断を見える化

dog は出発点であって、4つ目の冠詞パターンではありません。

日本語では文脈に任せている「相手もどれか分かる?」「1つとして見せる?」を、英語では名詞の前で順番に判断します。 冠詞学習の本質は、この判断を習慣にすることです。

04/ 142つの質問

迷ったら、この順番で2問だけ

先に「数えられる?」を考えないのがポイントです。the は複数にも water にも付きます。実際に答えて、判定の流れを体験してください。

1

相手も、どれか分かる?

話に出た・目の前にある・説明で絞れる

まず質問1に答えてみてください。

答えると、ここに冠詞が出ます

05/ 143つの見せ方

覚えるのは「意味」ではなく3つの見せ方

a / the / 無冠詞は、訳語ではなく「相手にどう見せるか」の型です。腑に落ちたらチェックを付けて進みます。

the

相手がどれか特定できる

話に出た、その場で分かる、後ろの説明で絞れる。数え方に関係なく the。

a / an

輪郭のある、どれでもいい1つ

相手はまだ特定できない。でも輪郭のある1つとして紹介する。

Ø 冠詞なし

1つの輪郭を立てない

特定せず、複数・物質・概念を広がりのまま話す。何も付けないのも選択。

06/ 14音のルールと安全柵

迷いを減らす、2つの小さなルール

a と an は意味ではなく次の「音」で選ぶ。そして単数の数える名詞は裸では置けない。この2つを柵にすると、多くの迷いが消えます。

Sound rule

a と an は、意味ではなく次の「音」で選ぶ

a university

/juː/ は子音の音

an hour

h を読まず母音の音

Safety rail

単数の数える名詞は、裸では置けない

I bought book. I bought a book.
dog と chicken の違いを、この本の後半で深掘り

07/ 14深掘り

裸の名詞は、すりつぶされている

読了目安 約 5

単独の apple は辞書の中の姿にすぎない

数えられる単数を文の中で裸にすると、通常はエラーです。

  1. 冠詞の服可算名詞は a・the・複数形を着る
  2. 辞書形単独の dog と裸の単数は別物
  3. 素材読み裸にできるのは特殊な文脈だけ

なぜ I ate apple. はダメなのか

単語帳では apple、冠詞の図解では dog と単独で表示できます。これは語の意味を指すラベルです。でも「私はりんごを食べた」を I ate apple.、「犬を見た」を I saw dog. と言うと、通常の英語としては壊れています。1個食べたなら I ate an apple.、犬を1匹見たなら I saw a dog.。数えられる名詞は、文に入るとき a・the・複数形 — あるいは my apple の my、this dog の this のような目印 — のどれかの服を着ます。

では、可算名詞をあえて裸のまま文に置き、素材として読める状況を作ったらどうなるのでしょうか。ここに、冠詞のいちばん面白い仕組みが見えます。言語学で知られる思考実験で確かめてみます。

思考実験「万能すりつぶし機」

  1. 1

    なんでもすりつぶせる機械

    どんな名詞も入れると輪郭を失い、ドロドロの物質になって出てくる — 言語学にはそんな空想の機械の思考実験があります。可算名詞でも、素材として解釈できる特殊な文脈を作ると、裸の単数による物質読みが可能になります。

  2. 2

    りんごは素材になれる

    There is apple in this salad.(りんごが入ってるね)。刻まれた果肉はもう数えられないので、裸の apple が「素材としてのりんご」を表す正しい英語になります。

  3. 3

    犬は教材に載せられない

    思考実験の読みでは There was dog all over the road. も「道路一面に犬の肉があった」という物質読みになります。日常でまず使わない不気味な例ですが、辞書形の dog と文中の裸の dog が同じではないことが分かります。

食卓の英語は、毎日これを使っている

chicken には「数えられるニワトリ」と「数えない鶏肉」の両方があり、a chicken は典型的には1羽、chicken は食材としての鶏肉です。ただし the chicken だけでは動物か料理かは決まりません。The chicken escaped. ならニワトリ、The chicken is ready. なら料理と読むのが自然です。the が示すのは「相手もどれか分かる」ことまでで、動物か食材かは文脈が決めます。

a lamb / lamb にも同じ切り替えがあります。牛・豚・羊で cow / beef、pig / pork、sheep / mutton と単語が変わるのは、フランス語から肉の呼び名を借りた歴史の名残です。

逆向きの装置 — 物質に輪郭を与える

カフェで Two coffees, please.(コーヒー2つ)、Can I get a water?(お水1つもらえます?)。数えないはずの coffee や water に a が付くのは、すりつぶしの逆向きに「物質へ容器の輪郭を与えて数えられるようにする」仕組み — 万能パッケージ機 — が働くからです。a は「輪郭が1つある」の印なので、1杯という輪郭を得た瞬間に付けられるようになります。an ice cream や a chocolate のように、決まった1個の形が思い浮かぶ食べものでも同じことが起きます。bread はふつう a bread で1個とは数えず、a loaf of bread(1斤)や a slice of bread(1枚)と器・形の名前を借ります。輪郭を消す装置と与える装置 — 英語の冠詞はこの両方向で動いています。

英語

単語図鑑の名詞タブでは、48語すべてを5つの場面に分け、大きな絵と音声で学べます。各カードは冠詞なし・a/an・the の順に見せ方を切り替えられます。

ドリルで鍛える

乗りものや場所も「裸」になる

go by train(電車で)、at school(学校で)— 乗りものや場所が「手段・役割」になったときも冠詞は消えます。輪郭ではなく機能だけを見る、すりつぶしと同じ発想の別バージョンです。

押さえておきたい用語

辞書形
単語帳や見出しで意味を示すための形。dog と単独で表示されても、そのまま英文の名詞句として使えるという意味ではない。
可算名詞
1個、2個と数えられる名詞。文の中では a・the・my・this などの目印を付けるか、複数形にする。
不可算名詞
water や bread のように輪郭がなく数えない名詞。裸の単数が標準の形。
万能すりつぶし機
universal grinder。どんな名詞も物質に変わりうることを示す言語学の思考実験。
万能パッケージ機
universal packager。a coffee / a water のように、物質へ「1杯」の輪郭を与えて数えられるようにする逆向きの仕組み。
総称
Apples are sweet. のように複数形で「〜というもの全般」を指す使い方。

14/ 14巻末

ルールを読んだら、文脈で判定してみる

練習の8問はすべて、この本で学んだ同じ2つの質問で解けます。迷ったら、いつでもこの本へ戻ってきてください。

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